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PCやスマートフォンで遺言が作成可能に!? 法制審が試案

法務省の法制審議会は7月15日、従来の手書きではなくパソコンやスマートフォンによる遺言作成を可能とする「デジタル遺言」実現に向け、民法改正案などの中間試案を公開しました。

高齢化の進展や単身の高齢者の増加というこれからの大相続時代に備え、作成にかかる負担軽減が狙いとされています。

 

大相続時代到来、遺言の需要拡大

以前の記事でも取り上げましたが、少子高齢化、未婚率の上昇に従い、遺言の必要性が増しています。

お子さんがいない方の相続手続きは、ただでさえ非常に大変です。たとえ配偶者がいても、子どもも親もいないときは、兄弟姉妹や甥姪が法定相続人になるため、話し合いが難航するリスクが大きくなります。とくに異母兄弟や異父兄弟、そしてその子世代となると、存在すら知らなかったり、いざ話し合いをしようとしても連絡がとれなかったりと、相続人全員の協力が得られず、相続手続きができないというケースもめずらしくありません。

法定相続人についての考え方はこちら

 

遺言の様式

このようなケースで非常に重要になるのが、遺言の存在です。

遺言は、当事者間の契約とは異なり、遺言者の単独行為であり、遺言者の死亡の時から効力を生じます。遺言の性質上、遺言者本人は、遺言の効力が生じるときには既に亡くなっており、遺言の内容について改めて本人に意思を確認することは不可能です。

そのため、遺言者の真意を確保し、遺言書の偽造・変造を防止するために、民法は、遺言について厳格な方式を定めています。そのため、せっかく作成した遺言でも、不備があって要件を満たしていない場合は、原則使用することができません。

実際、故人が遺した自筆証書遺言をもってご遺族が弊事務所に相談に来られたとき、いざ現物を拝見すると、様式や記載内容が誤っていたり、文意があいまいだったりと、実際の遺言執行ができないケースも珍しくありません。

遺言の種類についてはこちら

 

遺言の作成状況

遺言の需要拡大に伴い、公正証書の作成件数、自筆証書遺言の検認件数ともに、近年増加が続いています。


※法制審議会民法(遺言関係)部会第11回会議(令和7年7月15日開催)資料より

 

遺言制度の見直しへ

このような社会情勢を受け、遺言制度の選択肢を増やして利便性を高め、遺言書の管理や書き直しの手間を軽減するとともに、紛失のリスクなどを減らせる制度が必要とされているのです。

政府は、遺言の作成制度を見直すために、以下のような方針を掲げています。

  • 現行の自筆証書遺言と同程度の信頼性が確保される遺言をより簡単に作成する新たな方式の作成
  • デジタル社会の進展等を踏まえ、遺言を国民にとってより一層利用しやすいものに
  • 身寄りのない高齢者を始めとする方々への支援や総合的な権利擁護支援について検討する

 

また、法務省は、デジタル時代に沿うよう、現行の方式に加え、遺言の本文をパソコン、スマートフォン等により作成した電磁的記録又はプリントアウト等した書面による方式を創設するとしています。

 

法務省の中間試案

中間試案では、次のような案が検討されています。

【甲案】
遺言の本文を電磁的記録により作成し、遺言者による全文等の朗読を録音・録画等により記録して遺言する方式

【丙案】
遺言の本文を電磁的記録により作成し、公的機関で保管して遺言する方式

【乙案】
遺言の本文をプリントアウト等した書面により作成し、公的機関で保管して遺言する方式

 

また、現在は押印が要件とされている自筆証書遺言についても、押印を不要とし、様式を緩和することが検討されています。

 

政府は、2026年を目途に民法などの改正をめざすとしています。
今後の発表が待たれます。

 

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大切な家族やパートナーに対して、「財産を遺したい」「負担をかけたくない」という気持ちを形にし、あなたの亡き後、円満に相続手続きをする方法が遺言です。あるいは、築いた資産を特定の人物に遺すのではなく、地方公共団体や社会福祉団体、医療施設や児童養護施設、大学や研究施設などに遺贈という形で寄附するという選択肢もあります。

 

せっかく作成した遺言でも、不備があってはご自身の思いをかなえることができません。確実・安心な遺言を遺せるよう、専門家に相談いただくことをおすすめします。

また、老後の対策としては、遺言書のほか、任意後見制度や家族信託を検討したり、財産管理や死後事務委任契約などの備えをすることも考えられるでしょう。遺言を作成したり、各種契約を結んだりと、積極的な老後の備えができるのは、ご本人がお元気なときだけです。お元気なうちに、ご自身や親族、近しい方々の相続について考えてみてください。

皆さまのお悩み・ご心配ごとの解決を、いわさき事務所がお手伝いします。お気軽にご相談ください。

 

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