終活について
終活を行うことで、自分の死と向き合うことになりますが、死生観は人それぞれ異なり、様々な考え方があります。
また、年代によっても考え方や受け入れ方に差が現れます。年齢を重ねるにつれて死を意識することは増えますが、終活を行うことで自身の死に対して客観的に向き合うことができます。
これまでの人生を振り返ったり、残されるであろう家族のこと、友人・知人・お世話になった人のことを考えたり、やり残したことを書き出すこともあるでしょう。一つひとつ考えていくことによって、残された時間で、できることとできないことを洗い出すことになります。
このように終活とは、先の長い未来への希望を綴るものではなく、人生の総仕上げなのです。現実と向き合い、事前準備をすることによって、残された家族の負担を減らすことができます。
終活のメリット
終活で得られるメリットは大きく3つあります。
1つ目は、自分の思いをしっかりと家族に伝えることができ、残された時間と向き合えることです。ただ、死に対する話は自身にとっても目を背けたいものであったり、聞かされる家族も戸惑ってしまったりするかもしれません。そのため、自身の健康状態から話を切り出し、落ち着いて聴いてもらうことが大切です。
2つ目は、残された時間が充実することです。死を人生のゴールとしたとき、ゴールの決まっていない時間を過ごすよりも、ゴールの決まった時間を過ごす方が充実した時間を過ごすことができるはずです。
3つ目は、遺産相続によるトラブルを回避できることです。相続は金銭のやり取りが発生するため、遺産の分割割合によってトラブルに発展するおそれがあります。
大きなトラブルを回避するためにも、遺言を残すことはもちろん、相続人との話し合いを行っておくことが大切です。
代表的な終活
エンディングノートを書く
終活は自身の死後のために行われるものですが、生前のために行われる一面もあります。
エンディングノートは、自身の残された時間や死後について自由に書けるものであり、法的拘束力はありません。葬儀やお墓について書くことが一般的ですが、介護や医療など生前の希望についても書くことができます。
エンディングノートを作成することで、生前や死後の希望や思いを家族に伝えることができます。
遺言書を書く
遺言書を書く目的は、財産の相続人や分割割合を明確に表すためです。
相続は預貯金などの金銭だけでなく、不動産などの分割しにくいものもあったり、中には借金などの負の遺産がある場合もあります。また、相続する金額によっては、相続税の支払い義務も発生してしまうため、遺言書の内容によってはトラブルに発展してしまうケースもあります。
遺言書を書くことは、トラブル防止のために有効な手段ですが、記載する内容については専門知識を有する部分も含まれるため、専門家のアドバイスも取り入れることをおすすめします。
お墓を決める
お墓は『死後の家』と言っても過言ではないように、自身の象徴でもあります。残された家族にとっても、お墓参りを通して、気持ちの整理を行うことでしょう。
しかしその一方で、後継者の問題などからお墓を好まない方もいらっしゃいます。残された家族に迷惑がかからないようにするためにも、生前のうちに希望を伝えておきましょう。