外国在住の相続人について -私署認証-
相続のお手続きには、遺言書がない場合、相続人全員の協議が必要です。
ところが、相続人のなかに海外在住の方がいる場合も当然あるかとと思います。
一時のご出国で、住所登録を日本に在籍したままにした方も実際いるかもしれませんが、
海外に住所を構えており、日本国内の住所登録がない方も同様にいらっしゃるでしょう。
その場合、相続のお手続きが少し大変になることが想定されます。
その理由は『印鑑登録証明書』が取れないことに起因します。
相続の手続きには、原則、相続人全員の協議が整ったことを証明する『遺産分割協議書』が必要で、
その内容の真正を確保するため、全員の印鑑証明書を要します。
※相続登記のみで不動産の新名義人になる方は、不動産登記法上不要です。
しかし、預貯金などの解約手続きもあれば、財産を得る(名義人となる・受け取る)方の印鑑証明書も金融機関に求められることが多いのです。
そのため、印鑑証明書などの押印文化のない国では『サイン証明』『在留証明』を在外公館にて取得し、手続きをする方法が一般的な方法です。
ですが、日本より国土が広く、該当国の在外公館までのアクセスが悪いことからその取得が難儀な方もいらっしゃいます。
(私の経験上、アメリカ在住の相続人の方で言われる方が多かったです。車しか移動手段がなく10時間以上かけていくのが大変といわれてました。)
そのようなご意向がある場合、
日本国内の公証人役場で遺産分割協議書などを『私署認証』してもらう方法をご案内しております。
「私署認証」とは、
作成者(文書の名義人)の署名、署名押印又は記名押印がある私文書に、
公証人が「認証」(=作成者が署名などをしたことを公証人が証明すること。)です。
この認証(証明)により、その私文書が作成者の意思により作成されたこと(私文書の成立の真正)が推定されることになります。
この推定が私文書に実印が押され、その印鑑登録証明書が付してある、と同様の効果を与えるのです。
なお、実費としては「遺産分割協議書」1枚で概ね6,000円、関連する委任状も併せて認証する場合、4,000円ぐらいでできます。
但し、注意すべきはこの私署認証は、文書の内容そのものが正しいと証明するものではありません!!
そのため遺産分割協議書等の内容をしっかり検討することは必須です。
(せっかく認証ができても協議書内容に間違いがあれば相続手続きが進められないことになりかねません。)
手続き方法や段取りに工夫が必要ですので、どうぞ当事務所にご相談ください。
令和6年4月1日から相続登記が義務化され、怠った場合は過料が科されることになりました。
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