学校法人の校舎等の登記について
学校や保育園など、教育及び保育を提供する施設については、その公益性に鑑み、登録免許税(登記にかかる税)が非課税とされています。
具体的には、学校の校舎や図書館・運動場、幼稚園・保育所、認定こども園等の敷地や建物については、所轄官庁からその証明を得れば、その施設の用に供する不動産の取得にかかる登記について、登録免許税を非課税とする措置が講じられています。
非課税となる登記
不動産の登記(たとえば、所有権の保存の登記や移転の登記、地上権、賃借権、抵当権についての登記など)をするときは、登記申請時に法務局へ登録免許税を納付する必要があります。
ただし、次の登記については、登録免許税が課税されないこととされています。
①国等が自己のために受ける登記等の非課税登記(別表第二)
國、地方公共団体、港務局、国立大学法人、地方公共団体、地方住宅供給公社、地方道路公社、地方独立行政法人、土地開発公社、日本年金機構、沖縄振興開発金融公庫 など
②公共法人等が自己のために受ける非課税登記(別表第三)
学校法人、株式会社国際協力銀行、株式会社日本政策金融公庫、外国人技能実習機構、公益社団法人及び公益財団法人、社会福祉法人、宗教法人、農業共済組合及び農業共済組合連合会 など
学校法人の登記は、この②にあたります。
学校法人の校舎等の登記について
今回は、学校法人が校舎の新築をしたときの登記を例にとりあげます(広島県の場合)。詳しく条文を見てみましょう。
登録免許税法 第四条(公共法人等が受ける登記等の非課税) 国及び別表第二に掲げる者が自己のために受ける登記等については、登録免許税を課さない。 2 別表第三の第一欄に掲げる者が自己のために受けるそれぞれ同表の第三欄に掲げる登記等(同表の第四欄に財務省令で定める書類の添附があるものに限る旨の規定がある登記等にあつては、当該書類を添附して受けるものに限る。)については、登録免許税を課さない。 |
別表第一 課税範囲、課税標準及び税率の表 省略
別表第二 非課税法人の表 省略
別表第三 非課税の登記等の表
一 外国人技能実習機構 省略 (非課税の登記等) (備考) (以下略) |
必要書類
今回の場合は、建物が別表第三に定める校舎であることを、広島県知事に証明してもらい、その証明を建物の保存登記の際に添付すれば、登録免許税が非課税となります。
証明願に添付が必要な書類は、以下のとおりです。
1.権利関係を明らかにする書類
登記事項全部証明書のほか、建築確認通知書、工事請負契約書等
(この場合の登記事項証明書は、土地家屋調査士による建物表題登記後のもの)
2.図面
・位置図(現地への案内図)
・配置図(内容によっては省略可)
・平面図
・立面図(内容によっては省略可)
3.理事会議事録の謄本
4.その他知事が必要と認める書類
非課税証明を入手することで、場合によっては数百万円という税金が非課税となりますので、登記申請の際には注意が必要です。
ご参考になれば幸いです。
(参考)
広島県の私立学校に関する情報(私立学校事務の手引き)-広島県-
登録免許税法に係る証明願(Wordファイル)
私立学校事務の手引き(PDFファイル)
※登録免許税法に係る証明願に関する説明は53ページ
関連ページ:
- 判決による登記とは?
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