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休眠担保権の抹消方法(供託利用の特例)

休眠抵当権とは?

 

明治・大正・昭和初期に設定された古い抵当権が消されないまま(抵当権抹消登記がなされていないまま)、

現在も登記簿上に残ったままの抵当権のことを意味します。

 

金融機関でご融資を受けるときや、相続手続、遺言書の作成等で不動産の登記簿を調査する際に、

この休眠担保がたまに発見されることがあります。

本来、抵当権抹消登記は、抵当権者(担保権を持っている人)と不動産の所有者が共同で登記を申請しなければなりません。

 

ですが、古い抵当権であるがゆえ、

『抵当権を持っている人が今どこにいるのか分からない』

『抵当権を持っている人は亡くなっているはずだが、相続人が誰かも分からない、どこにいるかも分からない』

という状態に陥り、共同申請による抵当権抹消登記ができないままになっているのです。

 

 

休眠抵当権を消す方法の一つ:供託利用の特例等(不動産登記法70条第3項後段)

 

さて、抵当権抹消の登記は、原則共同申請であることをご説明しましたが、例外的に不動産の所有者が単独で申請できる方法があります。

まずはその根拠となる条文(不動産登記法70条3項後段)をなるべくわかりやすく編集してご紹介します。

 

《不動産登記法70条第3項後段》

第一項に規定する場合(登記権利者は、登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して…申請することができない場合)、

被担保債権の弁済期から二十年を経過しかつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する

金銭が供託されたときも、同様(当該登記権利者は、単独で…抹消を申請することができる。)とする。

 

上記の条文で、この制度を利用できるかの重要な要件を導き出すことができます。端的に言えば以下の要件が必要です。

① 抵当権者(登記義務者)が行方不明

② 弁済期から20年以上経過

③ 債権額・利息・損害賠償金額の合計にあたる金銭を供託すること

 

この手続き方法(上段の供託利用の特例等による抵当権抹消登記)のメリット

 

・ 裁判所での手続きは不要。(法務局にて、供託申請と不動産登記申請をするのみ)

・ 抵当権抹消義務者の協力を要しない

・ 供託する金額が数千円で済むことが多い。

ーーー※明治~大正時代の休眠抵当権は、債権金額そのものが数十円、数百円のものが多く、

ーーー利息や損害金を含めても数千円の供託金になることが多いのです。

・ 手続きの所要期間が、その他の休眠担保抹消登記手続きより短い。(3週間程度。但し、簡単な手続きではありません。)

 

本日はここまでにしましょう。

次回は具体的なお手続きの流れや、注意すべきところをご紹介します。

 

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