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太陽光発電事業への担保設定について

太陽光発電事業に対して融資を行う金融機関様向けの内容として、発電設備に担保権を設定する方法についてご紹介します。

買取価格が下がったこともあって、一時期に比べるといくぶん下火となりましたが、遊休地を利用した太陽光発電事業を始められるケースがまだまだあるようです。
この場合、事業に融資する側の金融機関としては、できる限り広く担保を取りたいと考えるのではないでしょうか。

太陽光発電事業の場合、担保を設定できるものとしては、次のものがあります。

  • A.土地
  • B.発電設備(ソーラーパネルなど)
  • C.電力会社に対する売電債権

といったところでしょうか。

「A.土地」は不動産なので、抵当権の設定は可能です。
一方、「B.発電設備(ソーラーパネルなど)」のソーラーパネルは動産であるため、通常は抵当権の設定はできません。

動産であるソーラーパネルを担保を設定する場合、次の方法があります。

  1. 動産譲渡担保
  2. 工場抵当
  3. 工場財団抵当

まず、「1.動産譲渡担保」ですが、第三者に対抗するには引渡しまたは動産譲渡登記を行う必要があります。
ただし、動産譲渡登記を設定できるのは、設定者が法人の場合に限られます。
なお、工場抵当・工場財団抵当と異なり、対象物件の指定の仕方により、ソーラーパネルの入れ替えによる変更登記をしなくてもよい場合があるというメリットがあります。

「2.工場抵当」は土地とその土地に存在する動産(ソーラーパネルなど)を一体のものとして抵当権を設定する方法です。
これは個人・法人関係なく設定することができますが、土地の利用権は必ず所有権である必要があります。
通常の抵当権に「機械器具目録」を追加することでソーラーパネルに抵当権の効力を及ぼすことができ、簡易な方法としてお勧めできます。
ただ、1筆の土地ごとに機械器具目録を作成する必要があり、事前に合筆登記をしておくべきでしょう。

「3.工場財団抵当」は、もっとも複雑な方法で、大規模な工場を一体のものとして不動産とみなし、抵当権を設定できるようにするために設けられたものです。
この手続きは複雑で、工場図面の作成 → 工場財団目録の作成 → 工場財団の保存登記 → 登記・登録対象外の物件についての公告 → 抵当権設定という流れとなっていて、時間も費用もかかります。
すでに抵当権などの権利が設定されている物は工場財団に組み込むことができないため、工場財団に組み込む不動産の抵当権を抹消し、あらためて工場財団への抵当権設定を行うことになり、一定期間無担保の状況が生じることになり、現実にはなかなか難しいのが実情です。
土地の利用権が賃借権の場合でも利用することができることができるため、必要に応じてこの方法を選択することがあります。

なお、「2.工場抵当」「3.工場財団抵当」については、ソーラーパネルの入れ替えを行う都度、機械器具目録・工場財団目録の変更登記が必要となります。
この場合の登記手続きは、抵当権者の同意書(印鑑証明書付き)を添付して、工場所有者の単独申請の方法となり、
工場抵当は不動産1筆につき1000円工場財団は財団1個につき6000円の登録免許税がかかります。

「C.電力会社に対する売電債権」を担保に取る方法は、債権譲渡担保という方法があります。
これも動産譲渡と同様に、債権譲渡登記という方法が可能です。
この場合、登記事項として、譲渡担保の対象となる債権を特定する必要がありますが、中国電力に電力を売却する場合、中国電力から発行される「電力需給契約のお知らせ」で内容を確認し、譲渡担保の目的となる債権を特定します。
通常、債権譲渡登記の有効期間は50年間(譲渡する債権に債務者が特定されていないものが含まれる場合は10年間)ですが、特別な事由がある場合は、それを証する書面を添付して申請することで有効期間を長くすることができます。

いかがだったでしょうか?

一口に太陽光発電事業に担保を設定するといっても様々な方法があり、個別具体的な事情を踏まえ、もっとも有利な方法をご提案いたしますので、いわさき司法書士事務所までお気軽にご相談ください。

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