成年年齢の引き下げについて
令和4年4月1日から、成人となる年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。現在18歳、19歳の方は、この4月1日に新成人となり、平成16年4月2日以降に生まれた方は、18歳の誕生日を迎えた日から成人に達することになります。
一方、女性が結婚できる最低年齢は18歳に引き上げられ、男女ともに婚姻適齢が18歳以上となります。
新旧対照条文(抄)
民法第4条(成年) 民法第731条(婚姻適齢) 民法第737条 削除 民法第753条 削除 |
民法のいう成年年齢は、単独で契約を締結することができる年齢という意味と、親権に服することがなくなる年齢という意味を持つものです。近年、公職選挙法の選挙権年齢や、憲法改正の国民投票権年齢が18歳からと定められたことに沿い、市民生活の基本である民法においても、18歳以上を大人として扱うのが適当ではないかという議論がされ、今般成年年齢が18歳に引き下げられることになりました。政府は「若者が自らの判断で人生の選択を行うことができる環境を整え、積極的な社会参加を促すことによって、社会が活力あるものになる」としています。
未成年の場合、たとえば不動産の売買契約やローンの契約などの際に、親権者の同意が必要ですが、4月1日からは18歳以上の方は、こうした契約をお一人で行うことができるようになります。また、当事務所の取り扱い業務でいうと、相続手続きにおける遺産分割協議についても18歳から参加することができるようになります。あるいは、10年有効のパスポートを取得したり、司法書士、行政書士、医師、薬剤師などの国家資格も18歳から取得できるようになるほか、性同一性障害の方は、18歳から性別の取り扱いの変更審判を受けることができるようになります。
一方、飲酒や喫煙、あるいは競馬やオートレースなど公営競技(賭博)の年齢制限は、青少年保護の観点から20歳以上のままです。また、養子縁組については条文が変更され、養親になれるのは成年に達した者ではなく20歳以上の者と定められました。
上記のとおり、未成年者の契約には親権者の同意が必要とされており、もし未成年が親権者の同意を得ず契約をした場合、「未成年者取消権」によりその契約を取り消すことができます。いっぽう成年に達すると、自分ひとりで各種契約ができるかわりに、当然ですが未成年取消権は行使できなくなり、契約の責任を自ら負うことになります。なお、未成年者による不動産取引については、過去の記事でとりあげていますので、ご参照ください。
以上、今年4月1日からの改正に際し、ご参考になれば幸いです。
成年を迎える皆さまに、心よりお祝い申し上げます。
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