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外国会社の登記とは

海外IT企業42社に、日本における登記を要請

先日、法務省と総務省が連名で、メタ(旧:フェイスブック)やツイッターなど、国際的なITサービスを提供する海外のIT企業42社に対して、日本で登記をするよう求め、1社が登記を済ませ、数社が登記を準備中との報道がありました。

ここで法務省・総務省が求めた登記というのは、「外国会社の登記」と呼ばれるものです。

株式会社の登記や外国会社の登記のような商業登記は、本来、市場参加者に対して取引当事者となる法人等の内容や代表者を公示することで、取引の安全を図ることを目的としています。

グローバル化の進展により、個人レベルで取引を行う場合でも国境という垣根が下がりましたが、ITを用いたサービス取引においてはその傾向は顕著です。

日本国内を対象とし、日本語でサービスを行なっているものの、会社は海外(ケイマン諸島やシンガポールなど)にあり、サービスを提供するサーバも海外に設置されているケースも多く存在し、このようなケースでも日本法のエンフォースメントを及ぼしたいという意向があるものと思われます。

例えば、最近法改正が行われたインターネットを通じた誹謗中傷の問題では、加害者を特定するために、インターネットサービス事業者に「プロバイダ責任法」に基づく開示請求を行う事になりますが、日本における請求先が存在しないと、開示請求が無視されてしまうという事実上の壁に阻まれることがあります。

また、国際的な法人課税の観点から日本国内における実態を把握したいという思惑があるようです。

GAFAなどのグローバルIT企業は法人税等の支払いを少なくするため、グローバル本社を法人税率の低い国に置き、各国の子会社から徴収するライセンス料等を高く設定することで、各国子会社の法人税の支払いを最小限に抑える手法がとられていると言われています。

そもそも、海外の会社でありながら、代表者の生活の本拠が日本にあるというケースも存在し、外国会社という法人を隠れ蓑にした税逃れを抑え込みたいと考えているものと思われます。

なお、日本に本店を置き、又は日本において事業を行なうことを主たる目的とする外国会社のことを「疑似外国会社」といい、日本において取引を継続してすることができず、これに違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うこととされています。また、会社設立の登録免許税に相当する過料に処せられるものとされています。

会社法821条(擬似外国会社)

  • Ⅰ 日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は、日本において取引を継続してすることができない。
  • Ⅱ 前項の規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。

 

外国会社の登記の概要

外国会社とは、「外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するもの」をいいます(会社法第2条第2号)。

そして、「外国会社は、日本国内で継続的に取引を行う場合には、日本における代表者を定めることが必要(会社法817条)」で、「日本における代表者を定めたときは、3週間以内に外国会社の登記をしなければならない」としています(会社法933条)。

外国会社の登記を怠った場合、最大で100万円の過料に処せられる可能性があります(会社法第976条第1号)。

外国会社は、日本における代表者を複数置くことができますが、そのうち一人は「日本に住所を有する者」であることが必要です。

※ このあたりは、日本の会社であれば、代表取締役の全員が外国に住所を置く場合でも、登記が受理されることとは対照的です。

そして、外国会社の登記の管轄法務局の考え方は、次の通りです。

  • ①  日本における営業所の所在地
  • ②  日本における営業所がない場合には、日本における代表者の住所地

そして、日本における営業所が複数ある場合には、そのすべての管轄において「外国会社の登記」を申請する必要があります。

登録免許税は、日本における代表者選定の登記が6万円。日本における営業所の管轄法務局ごとに9万円と高めです。

「外国会社の登記」の申請をするのは、当該外国会社の日本における代表者です(商業登記法128条)。

通常であれば、申請書または登記委任状に会社の実印を押印する必要があるため、申請に際して会社の印鑑を届け出る必要がありますが、オンラインで申請する場合で、法務大臣指定の電子証明書(特定認証業務電子証明書等)の発行を受けることのできる電子署名で署名している場合は、印鑑の届出は不要です。

 

外国会社の登記の登記事項

外国会社の日本における代表者を定めたときの登記

外国会社の登記記録例

日本における代表者の登記後、日本における営業所を定めたとき

外国会社の登記(日本における営業所設置)

[外国会社の登記の登記事項]

外国会社の登記の登記事項は、日本における最も類似の形態の会社の登記事項を基準として定められています。

外国会社の登記事項(説明)

 会社法第933条第2項

外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第911条第3項各号又は第912条から第914条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。

① 外国会社の設立の準拠法
② 日本における代表者の氏名及び住所
③ 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法
④  前号に規定する場合において、第819条第3項に規定する措置をとることとするときは、同条第1項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
⑤ 第939条第2項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め
⑥ 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
㋑ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
㋺ 第939条第3項後段の規定による定めがあるときは、その定め
⑦ 第5号の定めがないときは、第939条第4項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨

 

外国会社の登記の添付書類

1.本店の存在を認めるに足りる書面
2.日本における代表者の資格を証する書面
3.外国会社の定款その他外国会社の性質を識別するに足りる書面
4.公告方法についての定めがあるときは、これを証する書面

以上の書類は,本国の管轄官庁又は日本領事その他権限がある官憲の認証を受けたものである必要があります。

また、外国語で書かれている場合には、すべて訳文を添付する必要があります。

商業登記法第129条(外国会社の登記)

  • Ⅰ 会社法第九百三十三条第一項の規定による外国会社の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
    •  ① 本店の存在を認めるに足りる書面
    •  ② 日本における代表者の資格を証する書面
    •  ③ 外国会社の定款その他外国会社の性質を識別するに足りる書面
    •  ④ 会社法第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、これを証する書面
  • Ⅱ 前項の書類は、外国会社の本国の管轄官庁又は日本における領事その他権限がある官憲の認証を受けたものでなければならない。
  • Ⅲ 第一項の登記の申請書に他の登記所の登記事項証明書で日本における代表者を定めた旨又は日本に営業所を設けた旨の記載があるものを添付したときは、同項の書面の添付を要しない。

 

 

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