お役立ち情報

表示登記と登記原因証明情報の日付について③

土地の分筆登記と遺産分割協議書の成立日について

第一回は土地の分筆と売買の登記原因証明情報の日付について、
第二回は建物の表示登記と抵当権設定契約証書の日付についてお話ししました。
今回は、土地の分筆登記と遺産分割による相続登記について取り上げます。

被相続人の遺産を分割するにあたって、不動産はそのままでは分けることができず、土地を切って(分筆して)分割するということがしばしば行われます。この場合、登記のやり方がいくつか考えられますが、ここでは以下の二つの方法をとりあげてみます。

 

1.土地を分筆し、分筆後に遺産分割協議書を作成する

まずは分割案にしたがって分筆登記を行ったのち、相続登記を行います。この方法では、いったん被相続人名義のまま、相続証明(戸籍等)を添付して相続人の全員から分筆登記を行うことになります。その後、分筆後の地番について正式に遺産分割協議を行い、各地番についてそれぞれの相続人の名義に相続登記を申請します。

 

2.遺産分割協議書を作成し、分筆登記を行う

この場合は、分筆後の予定図面を添付して遺産分割協議書を作成し、協議書に従って分筆登記を申請します(※)。その後、予定図面が添付された遺産分割協議書を使用して相続登記を行います。すなわち、登記原因証明情報たる遺産分割協議書の日付より、分筆の登記の日が後であったとしても、相続登記の申請が可能ということになります。

 

ここで注意すべきなのは、遺産分割協議書に添付した予定図面と、実際の分筆登記にずれが生じてしまった場合です。こうなってしまうと、多少の齟齬であってもこの遺産分割協議書は、相続登記の登記原因証明情報として使用することができません。たとえ予定図面によって位置関係が推定できたとしても、相続登記を行うにあたって、再度遺産分割協議を行うか、合意書を交わす必要があると考えられます。相続人間に不和があるケースなどでは、せっかく苦労して交わした遺産分割協議書なのに、肝心の登記ができないという結果になってしまう可能性があります。

 

※この場合、登記実務上は、分筆後の地積測量図又は分筆図等が添付された遺産分割協議書が添付書類として提出されていれば、相続人の一人からでも分筆登記ができるものとされているようです(分筆する土地が明確になっていることが必要です)。すなわち、書類さえ整えば分筆登記と相続登記いずれの登記も各相続人が独立して申請できるということになります。ただし、分筆線の位置が誤っていたとして、この分筆登記を錯誤により抹消するには、相続人の全員から申請する必要があります。

 

関連ページ:

TEL無料相談アクセスPAGE TOP