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【不動産登記】表示登記と登記原因証明情報の日付について②

建物の新築年月日と抵当権設定契約の日付

第一回は土地の分筆と売買の登記原因証明情報の日付についてお話ししました。
今回は、建物の新築年月日と、抵当権設定契約日の前後について取り上げます。

例えば、新築年月日が令和2年1月8日と登記された建物について、令和2年1月7日付で契約された抵当権を設定登記することができるのか、という問題です。これは、土地の分筆と違い、仮に、“まだ存在しない建物”について契約された根抵当権が、はたして有効なのかという問いにもつながります。

先例は下記のような見解です。

昭和39年4月6日民事甲1291号回答

建物の建築年月日前に締結した抵当権設定契約に基づく登記については、受理して差し支えない

この理由として、「かりに建物とみなすことのできる程度に建築が進行する以前に建築中の建物を目的とする抵当権設定契約が事実上締結されたとしても、これを登記官吏としては知ることができないから、登記原因を証する書面において明らかな場合を除き、右の契約に基づく抵当権設定登記の申請は受理することにな」ると回答されています。

 

建物の新築年月日とは

そもそも、「建物の新築」とはどのような状態となったことをいうのでしょうか。
現在の登記実務では、「建物とは、屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、土地に定着した構造物であって、その目的とする用途に供しうる状態にあるものをいう」とされているようです。また、表示登記においては、種類・構造・床面積の記載が必要なため、すくなくとも、居宅や事務所、店舗などの建物の種類確定ができる程度に工事が進捗していなければならないといえます。

建物の表示登記が申請されると、登記官は現地調査を原則として行うものとされていますが、添付書類等で申請に係る事項が相当と認める場合は実地調査の省略が認められます。そのため、たとえば表示登記にあたって建築請負人の引渡証明書が添付され、その引渡しの日付と、申請書に記載された新築年月日が一致(あるいは近接)する場合、その申請書に記載された新築年月日がそのまま登記されることが通例のようです。

これは、上記で紹介した回答のとおり、実際のところ登記官が実地調査をしたとしても、“過去の事実”である新築の年月日について、その日時点で要件を備えていたか、真偽の判断が困難であるから、ということであると思われます。

(参考)
昭和39年4月6日民事甲1291号回答
登記研究626号121頁~138頁

 

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